自分らしい生き方を想像し、秋田という風土のなかにおける暮らし方と働き方を創造する人々が集う場として2022年、「ソウゾウの森会議」がスタート。2023年8月25日、にかほ市の象潟町横岡自治会会館にて「風土に根ざした産業と人」をテーマに、第9回ソウゾウの森会議が開催されました。ゲストに柳澤大輔さん(面白法人カヤック 代表取締役CEO)、大野瑛さん(代官山綜合法律事務所 パートナー弁護士)をお招きし、県内の大学生や若手事業者、大学研究者や行政関係者など総勢35名が参加されました。
会議の前には、バスツアーを開催。にかほ市で活躍する地域プレイヤーの現場を巡りました。秋田県でTikTokフォロワー数No.1の漁師が活躍する金浦漁港、新産業支援センター「しまのま」、流通量1%未満の放牧経産牛を生産している和牛農家、地域の内側に入れるゲストハウス「麓〼-Rokumasu」の見学を行いました。目的地までの各道中では一般社団法人ロンド代表の金子晃輝さんと本会議の主催者 渡邊強さん(和牛農家)による地域ガイドを交えながら、文字通り海から山まで巡る、一步踏み込んだにかほ市を体験する時間となりました。
ツアー終了後、横岡自治会会館にてソウゾウの森会議が開催されました。はじめに、渡邊強さんから「地域資源を利用した100年先も続く畜産を目指して」と題し、黒毛和牛のグラスフェッド生産についての講演が行われました。外国の穀物飼料に依存しない牧草で育てる牛肉生産、そしてその牛が放牧されている上の山放牧場での顧客体験を通し、にかほ市でしか見ることができない美しい自然景色を後世に残したいという熱い思いの伝わる講演となりました。
続いて、ゲストの柳澤大輔さんと大野瑛さんから、地方で意欲的に活動する起業家に対し都市からの支援の重要性や、バスツアーを通して感じたにかほ市についての感想をお話しいただきました。
その後、渡邊強さんよりにかほ市で活躍する地域プレイヤー3名の紹介が行われました。どのような活動をしているのか、どのような思いを持ってにかほ市で起業をしたのかお話いただいた後、参加者とゲストがそれぞれのテーブルに分かれ「にかほ市の”なんでもある”を目に見える形に」をテーマにワールド・カフェを開催。にかほ市は、多くの人が「海も山も”なんでもある”」と言う一方で、”なにも無いから”と言って離れてしまう若者が多いのも実態です。しかし最近では若者を中心に、抽象的だった”なんでもある”を事業を通し「資源」という目に見える価値に変換しています。バスツアー等による体験を通して得られた様々な視点から、にかほ市の魅力の再発見や参加者同士による意見交換が活発に行われました。
ワールド・カフェ終了後、参加者からいただいた感想を一部紹介します。
・まさに”なんでもある”にかほ市だった。地方でも熱い気持ちを持って事業を展開している起業家がいて、手助けできるようなことがあるのではと思った。これからがすごく楽しみだった。
・今まで知ることがなかったにかほ市を知ることができた。自然資源が豊富にあるにかほ市をもっと深く知りたくなり、また訪れたいと思った。
・自分にとっていつも遠くから見ていた鳥海山があるにかほ市の印象が変わった。
最後に、高田克彦さん(秋田県立大学 木材高度加工研究所 所長)から締めのご挨拶をいただき、第9回ソウゾウの森会議は閉会いたしました。
- テーマ
- 風土に根ざした産業と人
- 開催日時
- 2023年8月25日(土)13:00~17:30
- 開催場所
- 横岡自治会会館
- 参加者
- 35名
- ファシリテーター
- 渡邊 強(株式会社上の山放牧場 代表取締役)
- ゲストスピーカー
- 柳澤 大輔(面白法人カヤック代表取締役CEO)
- 大野 瑛(代官山綜合法律事務所 パートナー弁護士)
- にかほ市地域プレイヤー
- 金子 晃輝 氏(一般社団法人ロンド 代表理事)
- 中山 功大 氏(Ventos 代表)
- 佐藤 栄治郎 氏(株式会社えっこ 代表取締役)
- 亀山 星華氏(秋田スティーラーズ オーナー)
- 主催
- 渡邊 強(株式会社上の山放牧場 代表取締役)
- COI-NEXT「技術x教養xデザインで拓く森林資源活用による次世代に向けた価値創造共創拠点」
- 代表機関:秋田県立大学
- 幹事機関:国際教養大学、秋田公立美術大学、株式会社Q0
- 撮影協力
- 佐藤 柚羽
- 株式会社アウトクロップ